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執筆者の写真Akio Sakamoto

広がるテレワークと情報システム部門の悩み



最近は、COVID-19(新型コロナウィルス)の感染の広がりで企業においてもテレワークをはじめ従来とは異なった働き方をしているところが増えているようです。



自宅でWork@Homeをしている方や、今までの通り、職種によっては会社に出社して仕事をしなければならない方もテレワークの人達とのコミュニケーションや連携が必要であり、従来の仕事のやり方とはかなり違ってきています。企業の中にはもともと、東京オリンピック時にはテレワークを計画し、準備していたので、それが早まっただけという声もある。


問題は、テレワークなどの準備ができていない企業が俄かに対応を迫られるということである。その対応の中心にいるのがICTシステムの運用管理部門、情報システム部の方たちである。こうした方達は従来よりも何十倍も忙しくなっていることを容易に想像できます。


今回は、その観点から私なりの考察を以下記述します。

テレワークになって新規に起きていること、並びにその対策

1.COVID-19(新型コロナウイルス)拡散防止対策で、Work@Homeが増えている。

  

2.テレワーク時においても、基幹システムへの接続やセキュリティの強化のために、自宅から会社へVPN接続をしてサーバーへのアクセスをしているのが一般的なテレワークのIT環境である。


3.したがって、VPNのセッション数の上限を超える接続やVPNのトラフィックが極端に多くなり従来と比べ何十倍、何百倍のトラフィック量になっていると想像できる。


4.社内ネットワーク(イントラネット)からインターネットに出ていくトラフィックは従来と同じだが、Work@Homeからイントラネットへのアクセスのトラフィックが急激に増えているので、ゲートウェイ・ルーター、Proxyサーバー、Firewallなどゲートウェイ機器のトラフィックが急増している。


5.さらに、テレワークでもフェース・ツー・フェースのミーティングが、ワーキング・チーム内、職場の上司や部下、お客様や関連会社と必要のために、テレビ会議が多く使われ始めた。テレビ会議を使い始めると、通勤時間やミーティングのための交通時間が無駄であったことに気が付く人たちが多くなってきていることがSNSの投稿などでわかる。


6.テレビ会議は、Eメイルやサーバー・アクセスなどに比べて、ネットワークのデータ量が何十倍、何百倍にもなる。このためにインターネットやイントラネットの通信機器(ルーターなど)や通信路の輻輳(コンジェスション)を起こす割合が多くなる。この輻輳の割合、頻度は従来に比べて、極端に多くなってきていると想像できる。


7.この輻輳で、テレビ会議ばかりでなく、一般のネットワーク・データもリトライが多くなり、更に輻輳状態を悪くする。もちろん、テレワークの効率は落ちるし、テレビ会議がつながらない、会議中の接続が切れてしまうとさらに生産性が下がってします。

例えば、4人が離れた場所でテレビ会議に参加したとしよう。そのうちのたった1人のひとが繋がらないということで他の3人が10分待たされたらどうだろう?そしてその原因がつかめず、他のチームでも同様の現象が発生しているとしたらどうだろう?企業の損失は計り知れないと言わざる得ない。


8.今、テレワークの良さを各企業や従業員が理解し始めている。その一方で上記のような原因のわからない問題に対処せず、生産性を犠牲にしてテレワークを推進することも難しいのではないか。


9.このような柔軟な働き方でより複雑化する企業のITインフラで生じる性能や品質問題(遅延増、輻輳やリトライなど)にエンド・ツー・エンドで可視化できるサービスを紹介したい。情報システム部門やヘルプデスクにはユーザから多くのコンタクトがきている会社が多くなっている。残念ながら情報システム部門やヘルプデスクには、問題点を把握できるソフトウェア・ツールがなく、ユーザーに納得できる説明が出来ていない。ユーザーも問題点を情報システム部門が理解し、近い将来に問題が解決される期待があれば、納得できる。例えば、それらの問題が自社内なのか、自社内ならどのルーターか、どのリンクか、どのサーバーが問題をおこしているのか? 自社内でなく、インターネット・キャリアか、それならどのルーターやリンクか、クラウドのデータセンター内の問題であれば、どのサーバーかなどを自動的にアイデンティファイ(識別)するソフトウェア・ツールがあり、それらの情報を基にユーザーに説明できれば、ユーザーも納得がいく。しかしながら、リブートして様子をみてほしいとか、もう一度やり直してくださいという応答では、ユーザーも納得できないし、情報システム部門の評価を悪くするだけになる。


10.このような問題点をAI(ML)の技術を使い、リアルタイムでアイデンティファイし、可視化する、また5W1Hを記憶して、後からでもダッシュボードで見れるよう開発したソフトウェアがある。そのソフトウェアはカリフォルニア州シリコンバレー近郊の会社Ennetix社が開発したxVISOR(エックス・バイザー)である。



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