UXサービスをFull automated AIOpsで実現!
- 吉岡仁
- 2019年8月14日
- 読了時間: 4分
更新日:2019年9月12日
ここ数年前から、「AIOps」というAIベースのIT Operationが浮上。ITインフラ管理の海外ベンダー(CA Technologies,Splunk,BMC等)が市場参入しました。一方、“クラウドファースト”によって多くの企業ユーザがWEBアプリケーションをパブリッククラウド(AWS,MS/Azure,Google/GCP)で利用、インターネットアクセスが増大。
これらWEBアプリケーションのモニタリングツールとしてAPM(Application Performance monitoring)提供のベンダーも登場してきました。こうした様々なアプローチと新たなIT 技術によってCAPEXとOPEXは改善されています。ガートナーは2018年に「Market Guide for AIOps Platforms」というレポートを発表しました。このレポートではAIOpsを含めたAPMスイートカテゴリーについて紹介されています。そしてITOM(IT運用管理)とITSM(ITサービス管理)をAIOpsプラットフォームで融合する市場のニーズについても報告しています。
筆者は、このブログを通じてこうした市場ニーズとは別の観点で企業ユーザが抱えている問題にフォーカスしています。具体的にはユーザエクスペリエンス(UX:ユーザ体感品質)の問題です。最近の企業のITインフラはパブリッククラウドとデータセンター(SaaS等)に移行する傾向にあります。企業内ではユーザはWEB端末でこれらの外部サービスによるインフラ環境へのアクセスを行っています、これが最近の実態のようです。
QoS(Quality of Service)、QoE(Quality of Experience)そしてRCA(Root Cause Analysis)というソリューションが2007-2008年頃から市場に投入されました。QoSはネットワーク性能を,QoEはユーザ体感品質そしてRCAはサービス劣化の根本原因分析をそれぞれサポートしています。QoSとRCAは通信事業者やサービス事業者からのサービス品質と障害のトリアージの目線。QoEはユーザ視点のサービス品質をベースとするものです。このカテゴリー製品としては、ユーザの定常的なアクセス操作をシナリオ化してパブリッククラウドへのアクセスパフォーマンスを画像表示のレスポンスで分析するサービス(テリロジー/CloudTriage)、ESX等のコンソールにエージェントをインストールし、ネットワーク上のマネージャと組み合わせて障害の根本原因を特定する製品(テリロジー/eGI、SolarWinds等)。更には、クライアント、データセンター、パブリッククラウドにそれぞれエージェントをインストールし、WAN経由でのアクセスレスポンスを測定するWAN可視化ツール(ThousandEyes)、APM製品(IIM/Dynatrace等)が国内市場で展開しています。ただこれらは何らかのエージェントをインストールが必要なレガシータイプのソリューションです。
最近、海外で注目されているのが、米国カリフォルニア州立大学デービス校のBis Mukherjee教授が開発したEnnetix社xVISORシステムという製品です。この製品はEnnetix社が運営するcloudサイトにxVISOR分析プラットフォームを設置し、ユーザ側エッジに接続するXOMEというセンサーとのやり取りで、ユーザエクスペリエンスの様々な課題をAIと自動化機能で解決してくれるFull Automated AIOpsシステムです。
この製品の優れた差別化機能の特徴を以下に紹介します。
1.アクセス先(Final destination)のアプリケーションサーバおよびネットワークサービス(DNS,LDAP)の自動検出機能。
2. ネットワークサービス(DNS,LADAP)とアプリケーションサーバとの間のサービス状況に関する自動相関付け機能
3.エンド・ツー・エンドで介在するWAN経由すべてのルータデバイスとネットワークセグメントおよびISP名を含むアクセスパスの自動検出機能。
4. ホップバイホップおよびラウンドトリップのすべてのコンポーネントのパフォーマンスメトリクス(待ち時間、損失など)の測定表示機能。
5.累積データによって学習されたBaselineから逸脱した異常なパフォーマンスの検出機能。
6.トランザクションレベルの異常の識別機能。
7.アラートの優先度とノイズフィルター機能によって、障害の異常を正確に検出するためのL3-L7レベルでのパフォーマンスメトリック(利用アクセスプロトコル等)のの自動相関表示機能。
8.体系的な問題点のディスカバリーとそのレポートでアクセスパフォーマンスの体感品質を向上。
終わりに:
今後はAIOpsベースのユーザエクスペリエンス支援ツールは色々なベンダーから提供されると思います。今後は益々リアルタイムでの予兆監視がユーザアビリティを改善するうえでも必須です。ただ、いづれにしても最後は運用サービス管理者によるRemedy対応が必要と思います。
#AIOps#吉岡仁#ThousandEyes#テリロジー#ITSM
Comments